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7月の余韻|飛鳥の棚田と、五條の一棟貸しで過ごす夏。

2026 4/17
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7月の飛鳥は、暑い。

それでも、ここへ来ると、1400年前から変わらない風景が広がっている。青い空の下に、緑の棚田。石段の上に、巨岩。遠い時代の話なのに、どこか身近に感じられる場所だ。


〔写真:石舞台古墳〕

〔写真:石舞台古墳〕

飛鳥へ

石舞台古墳は、蘇我馬子の墓と伝えられる、わが国最大級の方墳だ。30数個の巨石を積み上げた石室が、今もそのまま残っている。総重量は約2300トン。盛り土が失われて石室が露出したのは、誰かが意図的に剥がしたのか、自然に失われたのか、今もわかっていない。それでもこの巨石が、飛鳥時代の人間の手で積まれたという事実は変わらない。

石室の中へ入ると、外の暑さが嘘のように、空気が変わる。天井石を見上げると、それがただの石とは思えなくなってくる。誰がここを作り、何のために積んだのか。7世紀の話なのに、石の重さはリアルだ。しばらく石室の中に立ったまま、みんな出るタイミングを逃していた。


〔写真:石舞台古墳 石室〕

〔写真:石舞台古墳 石室〕

石舞台から歩いて20分ほど、稲淵の棚田へ向かう。

明日香村の棚田は、飛鳥時代から続く農村の景観が今も残る場所だ。細い道を抜けると、段々に広がる水田が現れた。7月の稲はまだ若く、鮮やかな緑が風に揺れている。夏の陽光が水面に反射して、棚田全体が光っているようだった。蝉の声が、遠くからずっと聞こえていた。古墳の石室の冷気がまだ体に残っているうちに、この開けた景色の中に出る。そのギャップが、飛鳥を歩く面白さだと思う。


〔写真:稲淵の棚田〕

〔写真:稲淵の棚田〕

飛鳥から余韻まで、車で約1時間。山を越えると、五條の町が見えてくる。


〔写真:余韻 外観・夏〕

〔写真:余韻 外観・夏〕

チェックインの後に

16時、余韻の扉を開ける。

荷物を置いてから、みんなで吉野川の河川敷へ出た。

〔写真:吉野川河川敷 夕方〕

宿からすぐ近くに川がある。夕方の川沿いは風が通って、昼間の熱がようやく和らいでくる。水面が夕日を受けて、橙色に光っていた。飛鳥を一日歩いた脚が、砂利の上でゆっくりと緩んでいく気がした。

日が沈んでから宿へ戻り、炭に火を起こした。来る途中に買い出しておいた食材を並べ、冷えたビールを一本開けた。乾杯した。飛鳥を歩き続けた一日の終わりに、よく沁みた。


〔写真:余韻 BBQ〕

〔写真:余韻 BBQ〕

BBQの夜

火が落ち着いてきたころ、食べ始める。

7月の夜は、昼の熱がゆっくりと抜けていく時間だ。庭に座っていると、炭火の熱と夜の空気がちょうどいいバランスになってくる。ビールが進む。棚田のことや、石室の中のひんやりとした空気のことを、話しながら食べた。


〔写真:余韻 焚き火〕

〔写真:余韻 焚き火〕

食事が終わったら、焚き火に切り替えた。レコードを一枚選んで、針を落とす。何を選んでもいい夜だ。その夜の時間が、余韻の夏だ。


翌朝

朝日で目が覚めた。古い建具の窓から、光が差し込んでいる。飛鳥を歩き回った体が、よほど疲れていたのか、横になった瞬間から朝だった。

夏の朝は早い。庭に出ると、空気がまだ柔らかい。コーヒーを淹れて、椅子に座る。昨日歩いた棚田の緑が、まだ目に残っていた。


〔写真:五條新町通り 夏の朝〕

〔写真:五條新町通り 夏の朝〕

チェックアウトの朝に

チェックアウトは11時。出発前に、新町通りを歩く。

夏の朝の通りは、まだ静かだ。石畳がすでに熱を持ち始めていた。車に乗り込んで走り出すと、窓から熱い空気が入ってくる。山を越えるころ、吉野川が夏の光の中にきらきらと広がっていた。


余韻 奈良五條
奈良県五條市本町2丁目6-24
チェックイン 16:00 / チェックアウト 11:00

石舞台古墳
奈良県高市郡明日香村島庄
開園時間 9:00〜17:00(受付16:45まで)/ 入場料 大人300円
余韻より車で約1時間

稲淵の棚田
奈良県高市郡明日香村稲渕
石舞台古墳より徒歩約20分

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